在庫管理システムの構成

在庫管理システムの構成

43年前にはコンピュータは高価で誰でも使える代物ではありませんでした。今日ここで述べるのはある紙問屋の在庫管理オンラインシステムです。システム構成はIBM互換バイトマシーンでCPUとプリンタ付き、主記憶装置は32KB(プリーテッドワイヤメモリ)、ディスク装置は3ドライブでそれぞれ20MBの容量でリムーバブルの装置でした。あと通信制御装置がつき旧日本電電公社から専用回線を引きモデムを介して1回線を出荷指図書用として使うため、TTY制御でプリント装置を倉庫に置きました。本社にはカラーディスプレイ端末(ダム端末)を4台置き、在庫問い合わせ、引き当て、出荷指図を行うようにしました。これらの今から思うと貧弱な構成でオンラインシステムが稼動したのです。販売管理システムはオンライン業務が終わった後バッチシステムで行いました。
小型コンピュータとして、小さいOS(一部ジョブコントロールプログラムを含む)があり、ファイルシステムはLIOCS(Logical I/O Control System)とPIOCS(Physical I/O Control System)があり、Display のコントロールには4KBのハンドラ(一般に通信端末の処理プログラムにはハンドラという用語が使われ、そのほか周辺機器の処理プログラムにはデバイスドライバと呼ぶようです)があり、アプリケーションプログラムにはInquiry Answer(在庫確認、引き当て)、 ディスパッチシステム(出荷指図)があり、オンラインバッチ(オンライン上での一括処理)がコンカレント(同時並行処理)に動く、そうした構成でした。LIOCSとはプログラムでファイルを扱うアクセスメソッドです。例えばディスク装置の入出力について云えばハードウェアの1レコードセクタではなしに、プログラムで扱う1論理レコード(H/Wのレコードの長さにかかわらず、フィールドの集合を指す)の1商品のデータのGET,PUTに係わるものです。商品ファイルは在庫マスタも兼ねISAM(Indexed Sequential Access Method)で、取引先ファイルもISAM 、受注ファイルはDAM (Direct Access Method)でした。SAM(Sequential Access Method)はバッチシステムで用いられました。販売管理システムはオンライン業務終了後受注ファイルから売り上げデータを抜き出しその後のバッチシステムに繋げていました。各アクセスメソッドはDTF(Define the File)テーブルでファイルの属性を定義するものでした。PIOCSはH/Wのところで述べ忘れましたが、I/Oにはチャネルと呼ばれるポートがあり(パソコンではIBMのPS/2 時代にマイクロチャネルを実現しました)、セレクタチャネル(高速装置用)とマルチプレクサーチャネル(低速用)とがあり、それをPIOCSで入出力のプログラム(現在パソコンのデバイスドライバ)で入出力処理がなされていました。これは装置へのセクタ単位の入出力に関するものです。もちろんマルチタスクはだめでしたがオンラインプログラムの一種としてコンカレント処理(擬似バッチ、CARD to PRINT etc)がなされていました。 ちなみに開発言語はアセンブラでした。