DVD

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データ読み出しの原理はDVDドライブの中の半導体レーザからレーザ光をディスクにあて、その反射光を読み取ります。反射光は記録層の平らな部分(ランド)では強く、データが記録されているピットでは弱いため、この強弱の差を光センサーで読み取り0か1で判断します。2層記録タイプのディスクの場合は、2層目(レイヤー0)の記録層が半透明の薄い膜、1層目(レイヤー1)が通常の膜になっていて、DVDドライブのレンズがピントを切り替えて各層にあるピットにレーザ光を当てます。データの書き込みは記録層にあるグルーブという道筋に強めのレーザ光を照射しピットを形成していきます。DVD-R/+Rは記録層の有機色素の変化で、DVD-RW/+RWは記録層の相変化記録材料の変化でピットを作成します。すべてのDVDディスクの記録層にある蛇行した道筋のカーブをウォブルといい、ドライブはそれを検知しデータを読み書きする場所を確認します。DVD-R/-RWの場合はウォブル以外にディスク上に点在するプリピットから信号も検出して位置確認します。DVD-RAMはほかのディスクと違いグルーブとランドの両方にピットを形成するため、再生互換性が低いといえます。

それぞれ規格の異なるディスクは利点もそれぞれ違います。DVD-Rは多くのドライブで書き込みや再生ができるので互換性が高いといえます。DVD+RやDVD+RWは規格団体(DVDアライアンス)にマイクロソフトなどパソコン関連企業が多く参加していることもあり、パソコンでは使いやすくなっています。Windows XPにはDVD+RWへの書き込み機能が標準装備しています。また、DVDドライブにも種類があり、対応するディスクの規格もそれぞれ違います。ディスクとドライブの規格があわなければ書き込みや再生はできません。しかし、2002年以降に出た「DVDマルチドライブ」「デュアルドライブ」「スーパーマルチドライブ」などは複数の規格のディスクに対応しています。最近のパソコンにも搭載されたり、外付けのドライブも多く、今やドライブは複数規格対応になりつつあります。DVD-ROM、DVD-Video、DVD-Audioなどの読み込み専用DVDドライブで問題なく再生できます。

DVDフォーラム*1が策定した、DVDの後継となる大容量光ディスクの規格です。東芝とNECが共同提案した「AOD」(Advanced Optical Disk)仕様をベースとしており、2003年11月に承認されました。

 HD DVD規格はAOD規格にほぼ準拠しています。読み取りには波長405nmの青紫色レーザーを使い、読み出し専用のHD DVD-ROM*2 規格では片面単層で15GB、2層で30GBの記憶容量を持ちます。現在審議中の書き換え可能型規格では、片面単層20GB、2層で40GBとなる予定です。

 HD DVDの最大の特徴は現行のDVD規格との高い互換性です。片面2層記録メディアの場合、DVD-ROMと同様に1層0.6mmの基板を2枚貼り合せることで1枚のディスクを構成します。また、ピックアップの開口数(0.65)もDVD規格と同じです。こうした互換性の高さにより、DVD機器の上位互換機種としてHD DVD機器を開発するのが容易になっています。また、HD DVDメディアの生産設備もDVDメディアのものを流用でき、設備投資を抑えることができます。現行のDVD規格との互換性をほとんど持たないBlu-ray Disc規格とは対照的です。

 HD DVD規格は現在普及している光ディスク規格と同様、読み取り専用メディアと書き換え可能メディアの双方の規格策定が行われる予定ですが、2003年11月にDVDフォーラム幹事会で承認されたのは読み取り専用メディア「HD DVD-ROM」(仮称)規格のみで、AOD規格を元にした書き換え可能メディア「HD DVD-ARW」(仮称)規格は継続して審査が行われています。

 DVDフォーラムがHD DVD規格にAODを採用したことにより、次世代型DVD規格はAOD陣営(DVDフォーラム)と、先行して製品が発売されているBlu-ray Disc陣営(ソニーなど)に分裂することが決定的になりました。

*1:DVDの規格制定や、普及に向けた広報活動を行なう業界団体です。ハードウェア、ソフトウェア、マルチメディアあるいは放送の各方面から、日本国内で80社以上、全世界で200社以上が加盟しています。規格制定団体としては珍しく日本企業が主導権を握る(初代議長は東芝)団体で、事務局は東京に置かれています。 DVDフォーラム内のWorking Group(技術部会)ではDVD-ROM、DVD-Video、DVD-Audio、DVD-RAM、DVD-R、DVD-RWの規格やコピー防止仕様の策定作業を行っています。 また、DVDフォーラムは次世代光ディスクの規格制定にも着手しており、ソニー・松下電器産業など9社(いずれもDVDフォーラム会員)が発表したBlu-ray Discなどを含め、規格の検討を行っています。 なお、DVDフォーラムは規格制定、普及促進を行なう業界団体ではあるものの、DVDフォーマットのライセンス供与は行っていません。DVDフォーマットのライセンス供与はDVD FLLC社(DVDフォーマット ロゴ ライセンシング株式会社)が全世界で独占的に行っています。

*2:HD DVDでの読み出し専用メディアの規格です。従来のメディアでいう、CD-ROMまたはDVD-ROMにあたります。コンテンツやソフトウェアの販売・配布などに使われます。 HD DVD-ROMは、従来のCD/DVDのサイズと同じ直径12cmのディスクなら、片面で一層につき15GBの容量をもちます。二層式なら30GB、三層式なら45GBとなります。また、2007年のCES(全米家電協会(CEA:Consumer Electronics Association)が1967年から年1回開催されている、家電・情報・通信・エレクトロニクスに関する総合展示会です。2000社を超える参加企業と10万人を超える来場者を数えるアメリカ最大にして世界最大級の展示会であり、過去にはビデオカメラやCDプレーヤー、プラズマテレビなどが世界で初めて公開されました。)において、片面三層式で51GB(一層17GB)の容量を持つHD DVD-ROMの開発と、2007年中の規格策定が発表されました。 直径8cmのディスクでは、片面一層につき4.7GBの容量をもちます。書き換えができないため、主に映画などの映像作品を配布する目的で用いられます。なお、映像を記録するための規格はHD DVD-Videoが用いられます。 一層15GBのHD DVD-ROM規格は、策定が済んでいるため、対応する製品も既に販売されています。将来的に一層17GBのHD DVD-ROM規格が策定された場合には、HD DVD-ROMの規格が変わることになりますが、ファームウェアを更新することで一層15GBのHD DVD-ROMに対応したドライブ/プレーヤーでも、一層17GBのHD DVD-ROMを読み出せることが発表されています。